寒い季節に食べたくなる鍋料理。おいしいのに手間がかからず、作るにも食べるにも人気の料理です。味付けには様々な鍋つゆが販売されており、毎回違う味を愉しむという方もいらっしゃるでしょう。
さらに鍋に合わせる調味料は、定番のものから地域特有のものなども多くあり、その特徴は鍋つゆよりも更に多彩です。
そこで今回は、鍋に合わせる調味料について、その種類と開発のポイントを解説していきます。
目次
鍋に合わせる調味料とは
鍋に合わせる調味料には大きく分けて2通りあります。
1つ目は「つけだれ」です。食事の間を通して使われ、食材をたれに浸して食べます。ポン酢など定番の味が根強い人気です。
鍋の水分と合わせた時にちょうど美味しく食べられ、かつ何度も食べたくなるような味のバランスが重要です。
2つ目は「薬味だれ」です。こちらは味付けのメインではない場合が多いですが、鍋料理には欠かせない調味料です。そのまま具材に付けたり、つけだれに加えるなどして使います。
一つの味で飽きて来た時に使用し、味の変化をたのしむという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
食欲をそそるような辛味や旨味のパンチがあるのが特徴です。
代表的な5種類
ポン酢
柑橘系の果汁に酢を合わせたもの、又はこれに醤油を加えたもののことで、鍋のつけだれとしては定番中の定番です。
柚子果汁を使用した商品が多数を占めますが、柚子以外の柑橘を使ったものや、複数の柑橘を混ぜたものもあります。
さっぱりとした口当たりであり、具材の風味を引き立ててくれるのが特徴です。
ごまだれ
つけだれのもう一つの定番の味と言えるのが「ごまだれ」です。
ねりごまの濃厚さと、いりごまやごま油の香ばしさを組み合わせている場合が多く、ポン酢に負けず人気の高い味付けです。
これにポン酢を掛け合わせた「ごまポン酢」などもあります。
柚子胡椒
柚子皮に唐辛子と食塩を加えてすり潰したもので、爽やかな柚子の香りと唐辛子の辛さの絶妙なバランスが人気です。「胡椒」は九州地方で「唐辛子」のことを意味しており、黒胡椒や白胡椒の香辛料は使われていません。
青唐辛子と青柚子を使った緑色のものと、赤唐辛子と黄柚子を使った赤色のものがあります。
九州発祥の調味料ですが全国的に認知されており、鍋以外にも様々な料理に活用されています。
かんずり
新潟県の上越地方で作られてきた調味料であり、古くは各家庭で唐辛子をすり潰したものに食塩や味噌を加えて作られていました。
現在市販されているかんずりは、塩漬けした唐辛子を雪の上で天日干しにし、それをすり潰して糀・柚子・食塩を加えて長期熟成させたものを言い、有限会社かんずりが商標登録しています。
かつては寒さの厳しい地域で体を温めるために食べたとされていますが、今では季節を問わず親しまれています。
辛みそ
味噌に唐辛子を練り合わせたもので、これにゴマや生姜、ネギなどを加えた商品が様々あります。
コチュジャン、豆板醤などもこの仲間であり、辛味や風味で食欲増進を図ります。
鍋に合わせる調味料開発のポイント
つけだれ開発のポイント
つけだれは食事の間くり返し使われるため、あまりパンチが強いと敬遠される可能性があり注意が必要です。
また具材に程よく絡みながらも、具材の味を引き立てるような構成にすることが重要と言えます。
薬味だれ開発のポイント
つけだれとは逆に、風味や辛味・旨味のパンチがあるのが特徴です。
味に変化を与えて食欲増進を図るため、万人ウケするものより特定の嗜好層を狙ったり、意外な組み合わせで提案するなどの手法が考えられます。
開発事例
いわて健民のポン酢 岩手県味噌醤油工業協同組合様
脳卒中死亡率ワースト1の岩手県の実態があり、醤油の使用を減らすような減塩指導の動きがありました。
前年に発売してヒットした「いわて健民醤油」のバリエーションとしてさらに減塩を実現できるポン酢の開発をして欲しいとの相談がありました。
【事例詳細はこちら】
くらぽん(梅) 浅沼醤油店
酸味がキレる東北の青梅にまろやかな本醸造醤油を加えてじっくりと漬け込みました。
天然の梅の香りと酸味を活かした梅ぽん酢です。
【事例詳細はこちら】
木の芽柚子胡椒 浅沼醤油店
柚子胡椒に山椒の葉を加えることで、山椒の葉のハーブのような爽やかさと柚子の柑橘系の爽やかさ、そこに唐辛子の辛味が加わり、絶妙なバランスを実現しました。
【事例詳細】
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は鍋料理に合わせる調味料の代表例と開発の際のポイントについて解説しました。
国内どこでも食べられる鍋料理ですが、地域や消費者によっても使う調味料は変わってきます。
業務用調味料・開発.comでは、ここでご紹介した以外にも様々な視点から特徴的な調味料を開発しています。
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