調味料などの食品の開発を考えた時に、外部企業に製造を委託するという選択肢があります。

何度も外部企業に開発を依頼しているのであれば、同じように開発依頼を実施することができますが、初めて開発を依頼するとなると、委託先企業の選定は重要なポイントです。

事例が豊富かどうか、認証規格をもっているかどうか、などなど事前に確認しておきい情報は様々です。

そこで今回は、委託先企業を選定する前に知っておきたい、「FSSC22000」について解説していきます。

 


目次

FSSC22000とは

まず「FSSC22000の意味について確認していきましょう。

FSSC22000」とは、「ISO 22000を追加要求事項で補強した食品安全マネジメントシステムに関する国際規格のことです。

この規格は、GFSIGlobal Food Safety Initiativeという民間組織によって、ベンチマーク規格の一つとして承認されています

認証を受ける対象となる組織は、食品製造業を中心に下記の6つのカテゴリーの製品に関わる製造業となっています。

 

・腐敗しやすい動物性製品(ハム・ソーセージや乳製品、水産加工物など)

・腐敗しやすい植物性製品(果物や野菜のジュースなど)

・腐敗しやすい動物性および植物性の混合製品(ピザやサンドイッチ、惣菜など)

・常温保存品(缶詰や砂糖など)

・化学製品(ビタミンや添加物など)

・包装資材(直接もしくは間接的に食品にふれるもの)

 

この規格は、消費者に安全な食品を提供することを目的とした食品安全マネジメントシステムの確立」を目的とすると定められています。

また、FSSC 22000世界的な機関であるGFSIによって承認されている規格であるため、日本国内だけでなく、世界規模で支持されている規格となっています。

 

 

 

食品安全マネジメントシステムとは

「FSSC22000」は食品安全マネジメントシステムに関する国際規格ですが、この「食品安全マネジメントシステム」とはどういったものなのでしょうか?

「食品安全マネジメントシステム」は、Food Safety Management Systemを直訳したもののことであり、頭文字をとってFSMSと略されることが多いです。

このFSMSは、食品の安全を維持するための経営・管理システムのことを指します。

簡単に言うと、食品に関する事故を発生させないために、食品に関するリスクを理解し、それらを低減していくための仕組み、と言えるでしょう。

つまり、「従業員に気を付けて行動させる」といった属人的なレベルではなく、経営・管理体制から仕組みを構築し、確実にリスクを低減させていくということになります。

そしてこのFSMSを満たしている企業を認証する規格の一つが、「FSSC22000」ということになります。

 

 

ISO 22000、ISO 9001-HACCPとの関係

FSSC22000と同じような文脈で使われる言葉として、「ISO 22000」「ISO 9001-HACCP」があります。

それぞれの関係性を簡単に図で表すと下記のようになります。

「FSSC22000」「ISO 22000」「ISO 9001-HACCP」の関係

 

各認証を受けるためには、図の右側の条件を満たす必要があります。

ISO22000は国際標準化機構であるISOによって定められているFSMSに関する規格です。

HACCP(食品安全管理のガイドライン)の食品衛生管理手法をもとに食品安全リスクを低減し、安全なフードサプライチェーンの展開を実現する国際規格でありFSMS規格なかでもスタンダードと言える規格です。

FSSC22000が対象となる事業者が限られているのに対し、ISO22000は幅広い食品関連事業者を対象としています。

 

続いて、ISO 9001HACCPについてです。

これは、品質マネジメントシステムである国際規格ISO 9001をベースに、食品安全管理システムを構築するHACCPの考え方を組み込んだ規格になります。

FSSC22000ISO22000とは違い、設計開発や顧客満足に関する内容も包括されているのが特徴です。

 

 

FSSC22000を取得している企業に委託するべき3つの理由

ここまで、FSSC22000の意味について解説してきました。

では、FSSC22000を取得している企業に製造を委託することにはどのようンあメリットがあるのでしょうか。

ここからは、FSSC22000取得企業に製造を委託するべき3つの理由を紹介します。

 

①安心して依頼ができる

一つ目は安心感です。

FSSC22000を取得しているということは、食品安全管理に対する体制がしっかり整っていることを示しています。

そのため、開発したい食品の製造を依頼したとしても、食品に関する事故が起きるリスクを低減させることができるでしょう。

食品は美味しさも重要ですが、安全性はもっと重要です。

万が一のリスクに備えるという意味でも、FSSC22000を取得している企業を委託先として選定するようにしましょう。

 

②安心を顧客にアピールできる

二つ目は顧客へのアピールができるという点です。

FSSC22000を取得している企業で製造しているということを、製造した商品で訴求すれば、消費者や取引先に安心感をアピールすることができるでしょう。

調味料など、新しく食品を開発して販売するとなった場合、商品自体の信頼は最初は低いでしょう。

そういった状況でも、しっかりと認証を受けている企業が製造していることをアピールできれば、取引において優位性をもつことができるでしょう。

開発後の販売フェーズにおいても、FSSC22000を取得している企業で製造を依頼することにはメリットがあると言えるでしょう。

 

③世界との取引ができる

三つ目は、世界と取引できる可能性が広がるという点です。

FSSC22000は世界的に認められている国際規格です。

そのため、グローバルに販売を検討している場合は、FSSC22000を取得している企業に製造を依頼する必要があると言えるでしょう。

日本の味を世界に広げていきたい、といった想いがある場合は、必ずFSSC22000を取得している企業について調査してから、製造委託先を決めることをおすすめします。

 

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

FSSC22000を認証している企業に製造を委託することは、開発における安心感を得るだけでなく、その後の販売活動においても大きなメリットがあります。

調味料などの開発を検討している場合は、まずFSSC22000を取得している企業を調査してみてはいかがでしょうか。

 

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