「なるべく健康に良い調味料を仕入れたいけど、無添加って本当に健康にいいの?」と疑問に思う飲食店の経営者の方も多いかと思います。

添加物なしの調味料にはパッケージに「無添加」と記載されています。

また、オーガニックの調味料であることをアピールする商品もあります。

この記事ではこのように謳っている商品が、具体的に何を意味するのかを解説すると共に、健康に良い調味料を見分ける方法を解説します。

 


目次

「無添加」には注意!?健康に良い調味料の選び方

調味料を選ぶ際になるべく健康に良いものを選びたいですよね。

「無添加」という言葉自体は食品の製造過程、または食品の加工や保存の目的で付けられる食品添加物が含まれないことを意味します。
そのため、健康に良い調味料と言えば人工的なものが入っていない「無添加」と記載されているものを選べばいいと考えがちですが、実はそれだけでは十分ではありません。

それではどのように見極めていけばいいのでしょうか?
二つのステップに分けて解説します。

 

原材料を確認する

健康に良い調味料を選ぶ際の一つ目のステップは原材料をしっかり確認することです。
パッケージに「無添加」と記載されていたとしても、添加物として認定されていない他の人工的な材料が含まれていることが多いからです。
例えばパッケージの表に「着色料・保存料無添加」「化学調味料無添加」と記載されていたとしても裏面の原材料欄に酸味料やpH調整剤、乳化剤が含まれているということはよくあります。

表面だけでなく裏面もよく確認しましょう。

 

違うブランドの同じ製品と原材料を比べる

パッケージの裏面に記載してある材料の中から馴染みのない物を見つけたら、次に違うブランドの同じ製品同士にどの材料が含まれており、どの材料が含まれていないのかを確認します。
商品同士を比較することで、片方の商品に入っていない材料があれば、その調味料はその材料がなくても作成することができると分かります。
果実酢が果物のみから作ることができるように、他の調味料も最低限作成するのに必要な材料があります。複数の商品を比較して、より納得のいく商品を選ぶのがよいでしょう。

 

 

無添加とオーガニックの違いとは?

「無添加」と記載されていたとしても安心することはできないことはご理解いただけたかと思います。

それでは「オーガニック」はどうでしょうか?

こちらも人工物があまり含まれていないように感じますが、実際どうなのでしょう?
一言で説明するとオーガニック、有機は生産の工程で農薬や化学肥料のような化学物質に頼らず、自然の力で生産されたということです。
農薬が人体に直接的な影響があるかは未知数なところがありますが、毒性が高く、発がん性の物質が含まれていることもり、またアレルギーやアトピー性皮膚炎にも影響があると言われていることから消費者には敬遠されています。

 

有機JASマークについて

信頼できる国やメーカーの調味料かどうかを確認するのが大変だと感じた方もいらっしゃるかと思います。
そういう場合はパッケージに表記されている「有機JASマーク」があるかを確認することをお勧めします。
「有機JASマーク」は、農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品を表していて、農産物、加工食品、飼料及び畜産物に付けられています。調味料を購入する際には太陽と雲と植物をイメージした第三者認証「有機JASマーク」がついている商品も一つの選択肢と言えます。

 オーガニック・有機は、生産時に食品添加物を使用していないことを示す「無添加」とは工程が異なります。そのためパッケージにオーガニックの記載があったとしても商品を生産した後に加工をしたものだと、人工的な材料を使用していることになります。「無添加」と「オーガニック」は別のメッセージとして受け取らなくてはなりません。
調味料を購入する際には表のデザインだけでなく裏面の内容を比較確認して、信頼できる国やメーカーのものを選びましょう。

無添加と健康

「無添加」、「オーガニック」からは、てまひま惜しまずお客様の健康を考えたという強いメッセージが感じられます。しかしながら、無添加・有機=健康ということにはなりません。
 人類は味覚や経験を頼りにして食べ物の安全性を評価してきました。
昔、トマトは青苦さから毒だと思われ観賞用としてヨーロッパに伝わりました。コーヒーはその苦さから薬として日本に伝わりました。より遡ること中国の周の歴史を書いた「周礼」にはヒ素や水銀をといった猛毒を薬として使用したことなどが記録されています。
現代では、食経験という歴史の積み重ねの上に科学的な評価が上乗せされています。食品を構成する成分の急性毒性や発がん性、催奇形性などの評価が行われ、多くの迷信が正されるようになりました。現代に流通している食品は、農薬や添加物も含め、歴史的にみると安全性の高い位置にあると言えます。
 
 とは言え添加物を過信し、必要以上に乱用された食品は感心しません。
「〇〇港直送」などと書かれた干魚に酸化防止剤「ジブチルヒドロキシトルエン」や着色料「赤102号」といったアルファベットや数字の入った表示があると消費者の頭には「?」が湧きます。現代は冷凍技術や流通環境も発達し、レトルト技術も進歩しています。
食品メーカーの立場から見ても、お客様が想像できないものを使わずに新鮮なものをお届けするという選択肢は増えているように感じます。
「無添加」や「オーガニック」は特定の農薬や原材料が使われていないというメッセージに過ぎません。安全性と近いところにいそうだけれども健康とイコールではありません。

仕入れの方法

無添加やオーガニックの意味が理解できたところで健康的な調味料を見極めながら仕入れをする方法についてまとめます。
まず簡単にオーガニックのものかどうかを確認するために有機JASマークなどの第三者認証を確認します。
「無添加」や「オーガニック」は表の顔です。着色料、保存料、調味料として何が含まれているのか、原材料表示の裏面を確認します。
その際に違うメーカーの同じ商品同士を比較し、必要以上に食品添加物が乱用されていないかを確認します。比較した中で一番違和感のない納得できるものを選択するのが良いでしょう。また、製造者や販売者を検索して偽装や違反の過去がないか、代表者や役員のSNSなどの投稿に不誠実なものがないかなども与信の参考にすると良いかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
なんとなく体に良さそうなイメージのある無添加やオーガニックの調味料ですが、実際はパッケージの裏側の原材料まで確認をしなければ、製造者の意図は分かりません。
 製造者の立場でも「小さなお子様には作り込まれた強い味を避け、味覚を育てたい。」とか「市販の食品でも害はないかもしれないが、抵抗力の弱った病み上がりの友人や年配の祖父に刺激の少ない食品を摂取してほしい。」「お客様が不安にならないように、中身を想像できないものを使わない。」などよりお客様のことを想像できるチカラが必要とされているように思います。無添加やオーガニックにすることがゴールではないはずです。誰のためにどのような食品を作りたいのか、本来の目的を整理してそれにあった原材料を選ぶことが必要です。
 消費者の目線でも、記事で紹介した仕入れの方法を参考に、食品添加物についての知識も深めながら、健康に良い調味料を探していただければと思います。

 

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