自社オリジナルや、地元の特産品を使った調味料を開発する際の選択肢として、人気が高いものに「ドレッシング」があります。

では、具体的にドレッシングをOEMで開発する場合には、どのような点がポイントになるのでしょうか?

今回は、ドレッシングのOEM開発依頼のポイントについて解説します。

 


目次

ドレッシングとは

まず、ドレッシングがどのようなものか、確認していきましょう。

ドレッシングの定義ですが、『ドレッシング類の表示に関する公正競争規約及び施行規則(令和3518日認定及び承認)」の中で下記のように定められています。

食用植物油脂及び食酢若しくはかんきつ類の果汁を必須原材料とし、それらに食塩、砂糖類、香辛料等を加えて調製し、水中油滴型に乳化した半固体状若しくは乳化液状の調味料又は分離液状の調味料であって、主としてサラダに使用するものまた、そのドレッシングの中でも、さらに3つに分類がされています。

それぞれ解説すると、

 

半固体状ドレッシング

個体でもなく、液体でもない一定のとろみを持ったドレッシングを指します。

この半固体状ドレッシングは、さらに「マヨネーズ」「サラダクリーミードレッシング」「その他の半固体状ドレッシング」の3つの種類に区分されます。

 

乳化液状ドレッシング

乳化液状(油と水分が混ざった状態のもの)で、粘度が半固体状ドレッシングに達していないようなドレッシングがここに分類されます。

 

分離液状ドレッシング

分離液状(油と水分が分離した状態)のドレッシングのことを指します。

 

また、ここまで説明した「ドレッシング」に「ドレッシングタイプ調味料」(食用植物油脂を使用していないドレッシング。ノンオイルドレッシングなどが挙げられる)と加工油脂等を使用した「サラダ用調味料」の2つを含めて、「ドレッシング類」と称されています。

 

身近な調味料であるドレッシングですが、とろみの強さや、使用する油脂の種類や有無によって細かく分類されていることがわかります。

これからドレッシングの開発委託を使用と考えていらっしゃる方は、知識として覚えておいても良いかもしれませんね。

 

 

OEMとは

続いて、OEMがどのようなものなのかについて確認していきましょう。

OEMとは、Original Equipment ManufacturingもしくはManufacturer)」を略した言葉になります。

日本語だと他社ブランドの製品を製造すること(あるいはその企業)を指し、調味料などの食品関係以外にもアパレル、化粧品、家電などなど、さまざまな業界で普及しています。

自社で製造に取り組むのではなく、OEM企業に製造を委託することにより、設備投資や人件費などのコスト削減や、OEM企業が持つノウハウを活かせるなどのメリットがあります。

 

OEM企業に委託をするメリットに関しては、こちらの記事に詳しくまとめておりますので、是非参考にしてみてください。

https://asanumashoyu.co.jp/cms/column/item-82/

 

また、OEMと似たような言葉に「ODM」といったものもあります。

ODMとは「Original Design Manufacturing」を略したものであり、委託者である企業のランドで製品を設計・生産することを指します。

ODMは製造だけでなく、設計領域まで受託企業が請け負うため、OEMと比べると受託する側が、委任する側よりも生産技術などのレベルや知識が高くなるケースが多く、パソコンや携帯電話などの業界でよく取り組まれています。

自社において、調味料の生産技術や、パッケージングなどのマーケティング領域の知識が浅いと感じている場合は、OEMではなく、ODMを受託してもらえるような企業を探してみることをおすすめします。

 

 

ドレッシングをOEM開発する7つのポイント

ここまでは、ドレッシングがどのようなものか、OEMとは何かについて解説してきました。

では、実際にドレッシングをOEM開発依頼する際にはどのような点に気を付けなければならないのでしょうか?

この章では、ドレッシングをOEM開発する際のポイントについて紹介します。

 

OEM企業を選定する

まず重要となるのが、OEMを委託する先となる企業の選定です。

調味料のOEMを受託してくれる企業の候補を探しましょう。

企業を選定する際に特に重要となるのは、OEMでの開発実績です。

一般的な業務用調味料の製造実績があったとしても、OEMで調味料を開発できるノウハウや設備があるかどうかは、また違ったポイントになります。

自社がこれから依頼しようとしているドレッシングと似たような開発事例があるかどうか、Webサイトを確認したり、問い合わせてみたりなど、事前にしっかり確認しましょう。

 

完成品のイメージを共有する

OEMを依頼する企業が決まったら、その企業にどのようなドレッシングを開発してほしいのか、イメージを共有しましょう。

どのような原材料を使用して、どのような味付けにしていきたいのか、双方でのずれが無いように擦り合わせていきましょう。

既に自社で製造しているドレッシングの製造を委託するのであれば、配合やレシピなどを共有することで、話をスムーズに進めることができます。

反対に、これまでドレッシングの開発依頼をしたことがない場合は、OEM企業にヒアリングしてもらうようにしましょう。

自社のノウハウだけでなく、プロの知見を使ってより良いドレッシングの開発を進めていきましょう。

 

③包装形態・容器を決める

ドレッシングの中身の開発も重要ですが、そのドレッシングをどのような容器に入れるかも大切な要素になります。

オリジナルドレッシングを一般消費者に販売するのであれば、一つ当たりの内容量を決めた上で、高級感のある瓶を使うのか、使いやすいペットボトルを使うのか、などが検討事項となるでしょう。

また、食品工場などで使用する場合は1,000mlコンテナや、より大量に輸送できるキュービテナーなども容器として考えられます。

用途に応じて、適切な包装形態・容器を決めていきましょう。

 

④商品の温度帯を決める

商品であるドレッシングの温度帯を決めることも必要です。

一般的なドレッシングであれば常温のケースが多いですが、使用する原材料によっては冷蔵で取り扱わなければならない場合もあります。

また、常温か冷蔵かによって容器に変更が出る場合もありますので、必ず確認しておきましょう。

 

⑤パッケージデザインを決める

ドレッシングなどの調味料は開発して終わるものではありません。

一般消費者向けの商品である場合、しっかりと手に取ってもらえるようなデザインを設計することも非常に重要です。

企業や飲食店としてのブランド力があるのであれば、そのブランド名を前面に押し出したようなパッケージにするべきでしょうし、地元の食材を使っていることをアピールしたいのであれば、その生産者の顔が見えるようなパッケージとすることも良いかもしれません。

具体的なデザインが決まっていない段階で、OEM依頼する場合は、そういったパッケージのデザインまで提案してもらえるような企業を選定するようにしましょう。

 

⑥販売価格を決める

原材料、容器、内容量、パッケージデザインが決まってきたら、販売価格も決めなければなりません。

日常の一部として利用してもらうドレッシングなのか、それともお土産として買ってもらいたいドレッシングなのか、購入が期待される場面と原価率を計算して販売価格を決めていきましょう。

 

⑦販売計画を立てる

販売価格とともに、どのくらいの数量を販売していきたいのか、販売計画を立てていきましょう。

しっかりと利益が出るような数量を販売するために計画を立てることは重要です。

また、どのくらいの期間で販売を進めるかを決めることができれば、賞味期限、消費期限も変わってくる可能性もあります。

作るまでの計画だけでなく、販売計画もしっかりと練っていきましょう。

 

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

ドレッシングは日常的に利用される調味料であり、オリジナル調味料の開発にはうってつけです。

この記事で紹介した7つのポイントを抑え、多くの方に楽しんでもらえるようなオリジナルドレッシングを開発してみてはいかがでしょうか?

また、業務用調味料・開発.comでは、業務用調味料の販売、調味料の開発をサポートしております。

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