調味料を開発する際に、自社だけ完結させるのではなく、OEM企業に委託するという選択肢があります。
しかし、自社で開発するのと、外部に委託するのとではどのような違いがあるのでしょうか?
そこで今回は、調味料の開発をOEM企業に委託をするメリットについて解説していきます。
目次
調味料OEM企業とは?
「自社の調味料を開発したいが調味料の企画、材料の調達、パッケージ、販売まで行うのにはコストと時間がかかりすぎる」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
調味料OEM企業に依頼をすることでこのようなお悩みを解決することができます。
OEMとは「Original Equipment Manufacturer」の略であり、直訳すると「オリジナル製品の製造業者」になります。
つまりOEMとは自社で商品を製造するが、他社のブランドで販売をする製造業者を意味します。
中でも調味料OEM企業は基本的には調味料の製造、パッケージを外部の製造業者に依頼をする企業のことを指します。
一般的にOEM企業に依頼をすることのメリットとして小資本で自社のブランドの商品を作ることができることや、販売に専念ができることが挙げられますが、調味料OEM企業に依頼をするとどのようなメリットがあるのでしょうか?
調味料OEM企業に依頼をする4つのメリットについて見ていきましょう。
調味料OEM企業に依頼をする4つのメリット
①製造工場への設備投資の削減が可能
調味料OEM企業に依頼をする一つ目のメリットとして製造工場への設備の投資を削減できることが挙げられます。
新しい調味料を企画したとしてもその度に製造工場を作っていてはコストが高くなってしまいます。
調味料OEM企業では製造に特化しているため、少量からでも高い生産性で調味料を作成することが可能です。
②調味料の品質を保つことができる
自社で調味料の生産を行った場合、調味料の味を一定に保ち続けるのは難しいです。
特に飲食店を経営していて多店舗展開をしている場合は、店舗によって味のばらつきが出てしまう可能性があります。
調味料を作成するためのオペレーションを作りこむことや、従業員にそれを覚えさせるためには時間がかかります。
オペレーションが整っていない企業からすると調味料OEM企業に依頼をするメリットがあると言えます。
③商品の企画や販売に注力できる
自社で調味料の試作や製造をする場合、それに伴い人材の採用や育成が必要になります。
調味料の試作や製造をする人材を採用するためには費用がかかりますし、採用をした後にも育成をするための時間も必要になります。
しかし、人材の確保や育成に時間をとられていてはなかなか新しい商品の開発に踏み出せないのではないでしょうか?
調味料OEM企業に依頼をすれば他社の調味料よりも売れるためにどのような調味料を作成するべきなのか、商品について考える時間が増えます。
また調味料ができた際にも人件費や研修の費用として使う予定だった費用を、商品を実際に売るための広告費に充てることもできます。
④様々な商品展開が可能
少ない量からの依頼が可能な調味料OEM企業であれば、新たな調味料を展開しやすくなります。
自社で工場を持たない場合には必要な量だけ調味料OEM企業に依頼をすることができます。
必要な量だけ調味料を依頼するということは在庫を抱えすぎてしまうリスクがありません。
調味料OEM企業に依頼をすることでコストが削減出来て、新たな商品の開発や販売に注力ができることはご理解いただけたかと思います。
それでは次に実際に調味料OEM企業に依頼をすることにより生じるデメリットを見ていきましょう。
調味料OEM企業に依頼をする3つのデメリット
①開発力が育ちにくい
調味料OEM企業に依頼をするデメリットととして開発力が育ちにくいというデメリットが挙げられます。
短期的に見れば、開発を調味料OEM企業に任せることで工場への設備投資や人材の採用が必要ではなくなるため、コストの削減になります。
しかし外部に開発を任せ、開発をするために必要な投資をしないということは社内に開発のノウハウが蓄積しないことを意味します。
将来的に自社の内部で開発をすることを考えている場合には早めに設備の投資や人材の採用に踏み切った方が良いかもしれません。
②調味料OEM企業に委託をするコストがかかる
調味料OEM企業に委託をする場合、その分のコストが必要となります。
本来、自社で生産した場合には設備の購入と人材の採用が完了すれば材料費のみで済みますが、調味料OEM企業に委託をすると開発をする費用を払い続けなければいけません。
生産をする設備がある程度ある場合には生産も自社で行うことを検討しましょう。
③調味料OEM企業が競合になる可能性がある
調味料OEM企業に依頼をする3つ目のデメリットは将来的に調味料OEM企業が競合になる可能性があるということです。
調味料OEM企業にレシピを共有し続けるということは本来自社に蓄積されるはずだった開発のノウハウを調味料OEM企業に渡してしまうことを意味します。
自社の調味料のレシピと開発経験を得た調味料OEM企業が自社の調味料を売り出す可能性はあります。
自社の製品の販売が中心の企業に調味料OEM企業に依頼をするとその可能性は高くなります。
調味料の開発を中心にしていて、創業年数が長く、信頼関係を大切にしている企業を選定すると競合になる可能性が低いでしょう。
調味料OEM企業に委託をする際の2つのポイント
①使用用途や入れたい材料を明確にする
調味料OEM企業に委託をする際には調味料をタレ、ドレッシング、スープなど、どのような用途で使用をするのか明確にする必要があります。
使用用途を明確にすることで調味料OEM企業との話し合いがスムーズになる上に、どの容器に入れて生産をするのかも明確になります。
②使用・販売する量を明確にする
調味料OEM企業に委託をするには使用・販売する量を明確にしておく必要があります。
工場の機械には「製造ロット」があり、一回に製造ができる量が決まっています。
自社の使用・販売する調味料の量を把握できれば、500mlの醤油を2000本作るためにはどの企業に委託をすればいいのかが分かるようになります。
自社の用途に合った調味料が生産できるという点だけでなく、適切な量の調味料が生産できるのかどうかも考える必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
自社の分析をし、調味料を生産する工場が必要なのか、今後オペレーションを統一できそうなのかを踏まえて調味料OEM企業に委託をするかご検討いただければと思います。
コストの観点で考えると短期的には調味料OEM企業に依頼をする方がコストの削減になりますが、将来的に開発を自社で行う場合には先行投資をする意味で自社の工場を持ち、人材の採用をすることがコストの削減になります。
経営者であれば依頼をするかどうか将来の企業像と照らし合わせ、従業員の場合は経営者のような、将来企業がどうなるのか分かる人材に相談をすると良いでしょう。
加えて、委託をする企業の絞り込みをする際には自社で作りたい調味料と似ているものを開発した事例があるのか、小ロットからの開発も可能なのかを考える必要があります。
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