調味料のOEM開発に必要な期間は、どういった要因で左右されるのでしょうか?

その知識があるだけで、差し迫った新商品の発売予定日に間に合わせることができるかも知れません。

ここでは前回のコラムに引き続き、調味料のOEM開発期間を左右するポイントについて解説していきます。


 

 

  

目次

はじめに

前回のコラム

「気になる開発期間はどのくらい? ①調味料のOEM開発に必要な期間を徹底解説!」

では、OEMの開発期間の考え方について解説しました。

その開発期間はどのような要因で左右されるのでしょうか?そのポイントを抑えることで開発期間を縮められるならば、知っておいて損はないでしょう。

このコラムでは、調味料のOEM開発期間を左右するポイントについて解説していきます。

 

 

開発期間の変動要因

 

ベンチマーク品の有無

開発を始めるにあたり、どのような商品を目指すのかについて、どこまで具体的なイメージを持てているかは、最も重要なポイントといえます。

実際に現行の商品やレシピがある場合や、市販品に目標となる商品があると、OEM委託先での検討課題はかなり絞り込まれるため、スムーズに開発を進めることができます。

ベンチマーク品のレシピがそのまま商品化できる内容であったり、OEM委託先の所有するレシピを活用できる場合は開発期間をかなり短縮できますが、実際にはそうでないことの方が多いでしょう。

一方で商品化イメージが漠然としているほど、開発の方向性が定まらず迷走してしまう可能性があり、OEM開発の依頼をする前にはできるだけ商品化イメージを固めておくと良いでしょう。

 

 

保存性担保の有無

目指すべき商品イメージについて確認できると、次にその商品が期待する保存性を担保できるかを確認します。保存性の担保が難しい場合、商品の方向性(味・用途・使用量etc)を変えない範囲での修正で対応できるのか、又は方向性を変える程の修正が必要なのかを判断します。

方向性を変える程の修正を行う場合、譲れない部分や変えても良い部分を考慮しながら進めるため、時間がかかる要因となります。

 

 

製造適性の有無

OEMメーカーでは所有設備やノウハウが其々異なるため、依頼したい商品が委託先で製造可能かどうかも重要なポイントとなります。

希望する商品を製造可能なメーカーが見つかれば良いですが、そうでない場合はOEMメーカーと相談しながら、どういった修正をすれば商品化が実現できるかを検討します。

この際の修正内容や、OEMメーカーの設備・ノウハウによって開発期間が左右されます。

 

 

指定原料の有無

ベンチマーク品がある場合や商品コンセプトによっては、「この〇〇を原料に使いたい」という希望もあるかと思います。

そういった指定原料はOEMメーカーにおいて入手困難であったり、製造適性上そのままの利用が難しかったりすることがあります。

そのような場合にも何かしらの対策を講じる必要があり、開発期間を左右することとなります。

 

 

改良再試作の進め方

試作サンプルの評価結果を元に、より目標とする味に近付けるための再試作を依頼する場合があります。

この際に気を付けなければいけないのが、再試作の方向性について依頼主と委託先でしっかりと認識を共有するということです。

抽象的な表現は極力避けて、できる限り具体的な表現や数値を用いることで、試作の完成度とスピードは格段に上がります。

例えば「塩分を1%増やす」「サンプル100gに砂糖を小さじ1足すと丁度良かった」「酸味を今の半分にしたい」といった表現であれば理想的です。

抽象的な表現が多いと、試作品が出来上がってから実はお互いの認識にずれがあったことに気づく場合もあります。そうなると更に再試作を繰り返し、時間も精神的にも消耗してしまうことになりかねないので注意が必要です。

 

 

現場設備を使用した試作

開発内容によっては、試作用ではない現場設備を使用して試作をしなければならないこともあります。

理由の一つは、開発内容が委託先で実績が少なく、ラインテストを行わないと製造可否の判断や見積り計算ができない場合です。工程の一部や全工程をテストすることで、設備の適性確認や歩留り計算を行います。

二つ目の理由は、開発内容がそもそも現場設備でないと試作できない場合です。少量作成が難しいものや、所有設備の兼ね合いによって現場の設備を使用しなけらばならないことがあります。

いずれにしても、他の製造予定の空きを使って試作を行うため、通常よりも時間が必要となってしまいます。

 

 

パッケージデザイン

商品パッケージについては、デザイナーへ外注する場合はもちろん期間がかかります。また、フィルムやボトルの容器に直接印刷する場合は、ロットと共に製作期間が大きく変わるため注意が必要です。

また、パッケージデザインは商品の中身の設計にも関わってくるため、中身の開発と同時進行すると開発もスムーズに進むでしょう。

 

 

製造日程

開発が予定通り進み、発売日も決まっていざ発注してみると、製造期間が思った以上にかかるということもあります。

OEM商品は受注生産品となるため、注文してから原料・包材の手配を始めるので長めの製造期間が必要です。

また繁忙期に重なるなどすると、更に日数がかかるといったこともあり得るため、期間に余裕を持って注文するのが良いでしょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は調味料のOEM開発期間の変動要因について解説しました。

また、前回のコラムはこちらからご覧いただけます。

「気になる開発期間はどのくらい? ①調味料のOEM開発に必要な期間を徹底解説!」

 

これらの情報をOEM製造の委託側・受託側が共通認識として持つことで、コミュニケーションが円滑に進む可能性は高まるでしょう。

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