未利用資源の活用が話題になっていますが、未利用資源とはどのようなものでしょうか?
本コラムでは未利用資源の中でも食材にフォーカスし、未利用資源とはなにか、また、未利用資源を活用することのメリットについてわかりやすく解説していきます。
目次
未利用資源とは
社会における未利用資源
未利用資源とは、資源自体は存在しているが、注目も活用もされず、放置されてしまっている資源を指します。
特に日本では、木材や建築物、土地などが主な未利用資源と言われています。
このほかにも、廃棄されるような規格外の食材や食材の端材、人材や人々が持つスキルなどの無形のものも未利用資源に当てはまります。
食品における未利用資源
本コラムでは、上記であげた未利用資源の中でも特に、食品に関わる部分について、解説していきます。
食品における未利用資源となるものは、「食べられるが形や色が悪い」というような規格外の食材や、「食べられるが一般的には販売しない」ような食品加工の途中で出た端材、などです。
未利用資源となる原因として、売れるような段階にする為に加工することが困難であったり、使わないで廃棄、処分するものという固定概念が浸透してしまっている可能性があります。
未利用資源の活用によるメリット
上記の章でも紹介したように、未利用資源自体はあるものの、活用するには課題が多いように思われます。
しかし、未利用資源の活用によって様々なメリットが発生します。
本章ではいくつか紹介させていただきます。
新しい価値がうまれる
まず大きなメリットとして、活用されていないものがもととなるので、新しく価値を生み出すことができるということです。
今まで存在しているものにさらに価値を付加していくことはとても困難です。しかし、使われていない資源においては、価値が0の状態からのスタートとなるため、どのように活用しても価値を生み出すことができます。
「新しい」という点で、「新商品」や「新しい特産品」などが開発しやすいということや、もとが0円のものを利益に転換できることこそ、未利用資源のメリットと言えるでしょう。
資源が無駄にならない
次にあげられるメリットとして、今まで廃棄やその他処分をしていたものを活用することによって、無駄がなくなるということです。
まず処分にかかっていたコストを削減し、そのうえで活用することでさらなる利益に転じることができます。
また、現在社会問題としてフードロスや産業廃棄物の増加があげられています。
その中で食べることのできる素材を処分してしまうのは、決していい行為とは言えないでしょう。そのような素材を活用することによって、社会問題に対しても良い効果を生むことができます。
無駄になっていた資源を活用することで、コスト面でも無駄が減り、社会問題や環境問題にも取り組めることも、大きなメリットだと考えられます。
持続可能性が広がる
最後に、上記二つのメリットによっておこる、持続可能性の広がりというメリットについて説明します。
持続可能という言葉は最近よく耳にすると思います。「SDGs」等が主にあげられます。
なぜ未利用資源を活用することで持続可能性が広がるのか、上記の2つのメリットが大きくかかわってきます。
未利用資源として食材の端材や、規格外の食材についてあげましたが、そのどちらも生産者の方々や、生産している地域があります。 その食材により価値が生まれ、無駄なく活用されることによって、食材の原材料としての価値が上がり、生産者への還元率が大きくなっていきます。
昨今問題視されている、生産者の利益が少ないことによる従事者の減少などに対して効果があります。
また、廃棄物が減ることにより廃棄物処理にかかる燃料などの問題の低減や、無駄が減り可食部が増えることによって食料の供給増加などが考えることができます。
このように、未利用資源の活用は、持続可能な社会の実現に必要不可欠ともいえるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
未利用資源を活用することは、少し困難かもしれませんが、その分メリットが大きいことを御理解いただけたでしょうか?
見た目の問題で使えないような食材などでも、加工用の原材料としての価値はあります。
調味料開発では調味料の原料などに未利用資源の活用などが期待されています。
皆様もぜひご検討ください。
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