調味料のOEM商品、PB商品という言葉がありますが、食品業界に限らず耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。

しかしこの2つの言葉について、はっきり区別して使えているでしょうか? 

今回は調味料における「OEM」「PB」の言葉の意味や使い方について、分かりやすく解説していきます。 


 

目次

OEMとは

言葉の意味と使い方 

OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の略で、直訳すると「独自の製品の製造」となりますが、言葉の意味としては「他社ブランド製品の製造」として使われます。 

この言葉が使われるときの主役は、依頼者(販売)と受託者(製造)になります。 

OEMは企画~製造~販売までを全て自社で行うのではなく、一部のセクションを外部と協力(委託)して行います。これにより人・設備の資源配分をより効率よく行う事が出来るという点において、双方にとってメリットがあると言えます。 

企画の担い手は販売者の場合もあれば、製造者が開発した製品をより販売力のある企業のブランドとして発売することを持ちかけるという事例もあり、また第三者が企画提案するといった場合もあります。 

言葉の使い方としては、双方の立場から「OEM商品を開発(依頼)する」「OEM製造する」などと使われます。 

 

調味料のOEM事例 

販売者の小売商品ブランドとしてドレッシングやつゆ・ソースなどをボトル充填する場合のほか、納豆・ハンバーグなどに添付する使い切り用として他の食品メーカーへ納め、その先で小売商品が出来上がる場合もあります。 

また、食品メーカーや飲食店の使用原料の一部として大容量で納めたものを、食材と調理されて最終商品が完成する場合もあります。 

 

 

PBとは 

言葉の意味と使い方

PBとは「Private Brand(プライベートブランド」の略であり一般的には小売業者が独自に企画開発したオリジナルのブランド商品」という意味で使われます。

現状としてこちらの意味でほぼ間違いありませんが、言葉の成り立ちや他の用語とも比較しながらもう少し深掘りしてみましょう。 

 

PBはよく「NB(ナショナルブランドと対比して説明されることが多いですが、実際には関連用語として「SB(ストアブランド「LB(ローカルブランド)」という言葉もあります。 

これらの言葉はかつてアメリカで生まれたチェーンストア業態の隆盛と共に認知されるようになったもので、使われるときの主役は小売業者です 

また、NBの対義語は元々はLBであり、第三極としてPB・SBが定義されたと捉えた方が理解し易いでしょう 

少し複雑になってしまったので、一旦整理してみましょう。 

 

NB(ナショナルブランド/National Brand 

全国的に販売されているメーカー商品のことで、基本的にどの小売店でも仕入販売ができます。

知名度が高く消費者はブランドを信用してその商品を購入します。 

 

LB(ローカルブランド/Local Brand) 

NBが全国的に知名度の高い商品であるのに対して、LBは一部地域で認知されているメーカー商品のことを指します。 

当初はNational↔Localの対比で使われましたが、流通網の発達や消費者ニーズの多様化に加え、SNSによる情報発信が大きな影響力を持つようになったことで、現代の消費者の購入シーンや情報源は多様化しています。

これによりNationalLocalの対比軸が当初のような意味を成さなくなってきたこともあり、最近ではLBという言葉はあまり使われなくなっています。 

 

SB(ストアブランド/Store Brand) 

既に市場にあるNB・LB商品について、一部機能などを改善又はカットして小売業が企画開発した独自ブランド商品のことであり、自店舗のみでの販売を想定していますNB・LBの対抗品として、主に価格において優位性を持って開発されます。この場合、基本的にメーカーへ製造委託するOEMの形をとります。 

しかし様々な商品が開発・販売されている昨今、後述するPBとの区別が不明瞭となってきており、SBという言葉もあまり使われなくなっています。 

 

PB(プライベートブランド/Private Brand 

小売業が企画開発した独自ブランド商品のことであり、こちらも基本的にメーカーへ製造委託するOEMの形をとります。 

当初はSBと区別して「既存のNB・LBにはない分野において新たに開発した商品」とされていましたが、SBとの区別が難し今ではSBとPBをまとめて「PB」と説明されることが一般的です。 

 

言葉の使い方 

上記の経緯から複雑だった4つの言葉のうち、NB・LBをまとめて「NB」、SB・PBをまとめて「PB」と説明されることが多く、結果的に「NBと「PBの対立軸が成立しました。 

これらの言葉が使われるシーンでは「PB(NB)商品」「PB商品をOEM開発する」などとなります。 

 

調味料のPB事例 

小売店の独自ブランド商品として、小売用のドレッシングやソースなどが開発されます。場合によっては既存商品をベースに店舗のオリジナリティを加えて、PB商品をつくることもあります。 

小売店のブランドロゴが入ったパッケージを作成し、基本的にその店舗でのみ販売されます。ブランドイメージの統一感が重要となるため、パッケージデザインは小売業側で制作されることが一般的です。 

 

 

まとめ 

いかがでしたでしょうか?今回はOEMとPBの言葉の意味と違い、言葉の使い方について解説しました。 

業務用調味料・開発.comでは、ここでご紹介した以外にも様々な視点から特徴的な「たれ」を開発しています。 

 

また、このサイトでは調味料の知識についてだけではなく、関連する様々な情報を発信しています。 

ぜひ他のコラムもご覧ください。 

 

業務用調味料・開発.comでは、業務用調味料の販売、調味料の開発をサポートしております。 

  • オリジナルの調味料を作りたい 
  • 自社の料理をPB商品として市場に広めたい 
  • 調味料のPB商品について教えて欲しい 

こういったご相談をお持ちの方は、業務用調味料・開発.comにお問い合わせください。