食品製造業や飲食店の担当者の中には特徴のある調味料を開発したいとお考えの方も多いかと思います。

このコラムでは特徴のある調味料の中でも注目されている「減塩」の調味料を中心に解説いたします。

それでは減塩が注目されている背景について見ていきましょう。

 


目次

減塩が注目されている理由

健康的な食生活を送るために塩分の量を調節することが注目されていますが、なぜ減塩をすることが必要なのでしょうか?

その理由は塩分の摂り過ぎが高血圧や脳卒中による寝たきりの状態や、認知症を引き起こすからです。

また、短期的な視点で見ると高血圧になるだけで、問題がないようにも思えますが、最終的には心筋梗塞や腎臓病など塩分の摂り過ぎは様々な病気にもつながります。

日本人の多くの病気に塩が関わっていることから健康を気にする方は塩分の摂取量を気にしているのです。

 

 

減塩専門店、減塩調味料について

このように健康面からみると塩分を控える必要があることから食塩を使わないドレッシングや普通のスーパーでは扱っていない減塩商品を扱っているお店も増えてきています。

しかし、このような塩分の摂取量を気にしている方に向けた商品が増えてきているものの、手軽にどこでも塩分濃度の低い商品が手に入る環境が整っているわけではありません。

そのため、地方でしか採れない食材など、特徴のある原料を用いて塩分の少ない調味料を開発できれば、健康を気にしている方にとって魅力的な商品を作ることができます

今回は醤油や味噌など塩分が多いことで注目される調味料の種類を解説します。

醤油や味噌の種類ごとの塩分の含有量や味の特徴を把握することで、自社で開発するべき調味料を見極めましょう。

 

 

醤油・味噌の種類ごとの塩分の違い

減塩が注目されていることやその背景について確認をしたところで、どのような醤油や味噌の種類を用いれば減塩がしやすいのかも見ていきましょう。

【醤油】

薄口醤油

(大さじ一杯当たりの食塩:2.9g

 

薄口醬油は日本の醤油の生産量の13%を占めており、薄い色や控えめな香りが特徴となっております。

素材の味を活かした料理に向いており、煮物、お吸い物、おでんなどの料理に用いるのに向いています。

薄口醤油は小麦、大豆など醤油をつくる際に用いる基本的な材料だけでなく、甘酒を加えて作成します。

一見色が薄いので塩分が少ないようにも感じますが、製造の過程で食塩を多く使うため、他の醤油よりも塩分濃度が高いのが特徴です。

濃口醤油

(大さじ一杯当たりの食塩:2.6g

濃口醤油は日本の醤油の中で最も生産されており、醤油の生産量の8割を占めます。

塩見、うま味、甘み、酸味などのバランスが良く、様々な料理に使うことができるのが特徴となっております。

材料は大豆と小麦が半々で、驚くべきことに薄口醤油と比べ、塩分が少ないことが分かります。

たまり醤油

(大さじ一杯当たりの食塩:2.3g

たまり醤油の特徴は原料がほとんど大豆であるということです。

蒸した大豆に麹を加えることで味噌玉を作成し、1年間発酵、熟成します。

濃厚な味と香りが特徴となっており、濃口醤油の約2倍のうま味成分が含まれていると言われています。

使用する料理としては煮物、焼き鳥、佃煮が挙げられます。

味が濃くなっているのにも関わらず、先ほど紹介した二つの醤油よりも塩分が控え目なの驚くべき点です。

味が濃厚であることが塩分が高いことを意味するわけではないことが分かります。

 

白醤油

(大さじ一杯当たりの食塩:2.6g

白醤油は淡い琥珀色をしているのが特徴です。

色がつかないように製造の過程の中で醸造期間が3か月程度と短く、原料のほとんどを小が占めており、大豆はほとんど使用しておりません。

使用方法としては料理の色を活かしたい場合に淡い色の白醤油を使用します。

炊き込みご飯やお吸い物などに使うのがおすすめです。

再仕込み醤油

(大さじ一杯当たりの食塩:2.2g

再仕込み醤油は濃厚なうま味とコクが特徴の醤油であり、再仕込み醤油という名の通り、醤油で醤油を仕込むという製造方法が用いられます。

その上、濃口醤油と比べて2倍の原料と期間を使って作成するため、濃厚でうま味の強い醤油が出来上がります。

だし醤油

(大さじ一杯当たりの食塩:1.3g

だし醤油は醤油のベースに鰹節、煮干し、昆布などからだしを取り、みりんを加えたものです。

出汁のうま味により使用する塩分が少なくて済みます。

和え物や煮物など和風料理に合うのがだし醤油になります。

ポン酢醤油

(大さじ一杯当たりの食塩:1.4g
ポン酢醤油の原料には酢、ゆず、レモン、カボスなどの柑橘系の果汁と醤油が使用されます。
ポン酢醤油も果実を使っているため、他の醤油と比べ塩分量が少ないことが分かります。
お鍋や冷奴を食べる時に使うことの多い調味料です。

【味噌】

赤味噌

(大さじ一杯当たりの食塩:2.3g

赤味噌はコクがあり、香りが強いのが特徴の味噌になります。

 

合わせ味噌

(大さじ一杯当たりの食塩:2.2g

種類の違う味噌を複数混ぜ合わせたものを合わせ味噌と呼びます。

米味噌、豆味噌、麦味噌の中で2種類の味噌を合わせたものも合わせ味噌と呼ぶそうです。

種類によって塩分の含有量が変わりますので、こちらはあくまで赤味噌よりも塩分が少ないことが多いという認識にとどめておきましょう。

 

麦味噌

(大さじ一杯当たりの食塩:1.9g

麦味噌は主に九州全域、山口県、愛媛県で消費されている味噌です。

塩分濃度が低く、香りや甘みが強いのが特徴です。

 

豆味噌

(大さじ一杯当たりの食塩:2.0g

豆味噌は主に愛知県、岐阜県、三重県を中心に消費されています。

大豆が原料のため、味には渋みがあり濃厚です。

 

 

 

 

まとめ

醤油や味噌の種類を見ていくことで塩分が少ない調味料は

・食材のうま味を活かす

・熟成期間が長い

・果物などの酸味を用いる

ことが分かります。

 

今回は塩分の量を気にする方が多い醤油や味噌について解説しましたが、食材のうま味を活かすなど塩分の量を減らす方法は他の調味料にも当てはまります。

自社の強みを活かし、健康面を気にする方に向けて塩分を控えた調味料を作成しましょう。

 

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