お客様に塩分が少ない料理を提供することにより、健康的なレシピを作成したいと考えている飲食店のレシピ担当者の方もいらっしゃるかと思います。
この記事ではなぜ減塩が注目されているのかを確認した上でお客様に塩分の少ない料理を食べてもらうにはどのようにすればよいかを見ていきます。
早速減塩をしなくてはならない理由について見ていきましょう。
目次
なぜ減塩が注目されているのか?
様々な調味料や料理を見ていると減塩を売りにしている商品を見かけますが、なぜ塩分の摂取量を減らすことが注目されているのでしょうか?
その理由は日本の食生活を見てみると分かります。
日本人の塩分の接種量は世界的に見ても多いことが分かっており、日本特有の調味料である醤油や味噌に含まれる塩分が多いことが原因だと考えられています。
成人の1日の食塩の目安摂取量は7g前後だと言われているのに対して、日本人の平均塩分接種量は平均10gです。
現在の日本人の食生活からも塩分を減らすための工夫が必要であり、このことに危機感を感じている方が多いことが分かります。
次に塩分を取りすぎることで体にどのような悪影響が出るのかについても確認します。
塩分を取りすぎると血液中のナトリウム濃度が高くなるため、濃度を元に戻すために体は血圧を上げます。
血圧が高い状態が続くと血管が硬くなり、脳卒中、心疾患、腎不全などの疾病を引き起こします。
それだけではなく、胃がんになるリスクを高めるとも言われていますので、塩分を取りすぎることは生命の存続に関わる重大な問題であることが分かります。
このような理由から健康のために塩分を取りすぎないように工夫をしている方が増えているのです。
おいしく減塩する方法4選
塩分を摂りすぎることの危険性について理解をしたところで何をすれば塩分の少ないレシピを提供することができるのかについて見ていきます。
①塩分の少ない調味料を使用する
調味料にどれだけの塩分が含まれているのかについて理解をするだけでも料理の塩分の含有量を減らすことが可能です。
塩分の多い調味料を使った料理を一つ作ったら、他の料理には塩分の少ない調味料を使用するなど塩分の量を調整しましょう。
下記に主な調味料の大さじ一杯分の塩分の含有量を記載していますので是非参考にしていただければと思います。
【大さじ1杯分の塩分】
食塩 | 17.8g |
濃口醬油 | 2.6g |
米味噌 | 2.2g |
ウスターソース | 1.5g |
ケッチャプ | 0.5g |
マヨネーズ | 0.3g |
穀物酢 | 0g |
②食材の味を活かす
塩分の少ないレシピを作成する2つ目の方法として食材の味を活かすことが挙げられます。
旬の食材を料理に使うことにより、濃い味付けをせず、食材そのもののうま味を味わうことができます。
他には食材から出汁のコクやうま味を引き出すことで味の薄さを補うことができます。
昆布、しいたけ、かつお節などうまみの強い食品を用いることで塩分が控えめな料理を作成することができます。
③香辛料や香味野菜で味を補う
香辛料や香味野菜の中には塩分をほとんど含んでいないのにも関わらずしっかり味を出すことのできるものがあります。
香りや辛みをきかせることで塩味が足りない料理の味を補いましょう。
下記に香辛料と香味野菜の例を挙げておりますのでご覧ください。
香辛料 :ニンニク、ショウガ、唐辛子
香味野菜:しそ、ねぎ、みょうが、にんにく、しょうがなど
種実類 :ピーナッツ、ごま
④果物や酢の酸味を活かす
酢や果物の酸味を活かすことで食材への味付けができます。
献立を作成する際には煮物ではなく酢の物や和え物を添えることで健康に配慮した献立になります。
お酢の塩分はゼロですので、味付けに使用し、さっぱりとした料理に仕上げましょう。
また、から揚げなども塩胡椒ではなくレモンでさっぱりとした味付けに仕上げることもできます。
減塩のためにできる2つの工夫
これまで調味料や食材の味付けの仕方で塩分を減らす方法について見てきましたが、ここでは塩分の摂取量を減らすために工夫できるポイントについて紹介しています。
お客様に料理を提供する際には下記の2点について気を付けるとより塩分の摂取量を抑えることができます。
①汁物には具をたくさん入れて汁を少なくする
汁を少なくすることで少しの調味料で味付けができるようになります。
また具をたくさん入れることでスープにうま味が溶け出し、食材本来の味が楽しめます。
具も野菜を中心にすることで血圧を上げる原因となるナトリウムを体外に排出するカリウムをたくさん取り入れることができます。
②卓上に塩や醤油を置かない
お客様が自由に塩や醤油が使えるようにしてしまうと、せっかく塩分を抑えたレシピを作成したとしても結局濃い味付けをされてしまう可能性があります。
なるべく先ほど紹介した香辛料や香味野菜を使ってもらえるように卓上に置く調味料には工夫をしましょう。
まとめ
最近では食事の塩分の量に敏感なる人も増えており、そのニーズに合わせて減塩の専門店も出てきています。
この記事でも紹介したように、減塩のニーズに応える方法はたくさんあります。
今使っている調味料の塩分が少ないものを開発するというのも効果的な方法の一つでしょう。
減塩についての調味料の開発方法について気になる方は一度調味料の開発のプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?
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